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Carlos Kleiber 「英雄の生涯」のエピソード

「英雄の生涯」のエピソード

 1993年5月のVPO定期での「英雄の生涯」、モーツァルト : 交響曲33番 は、ソニー・クラシカルからCDが発売される予定でした。当時の「レコード芸術」を調べてみると、1993年8月号に「緊急発売決定!!、8月21日発売予定、MD同時発売、CD:SRCR2320、 MD:SPYR6017、各税込2,800円、予約特典;クライバー最新ポスター」という広告があります。翌9月号の広告には「本誌8月号にて発売予告したクライバー/ウィーン・フィルの「英雄の生涯」は制作上の都合により発売を延期いたします。なお、発売時期については決定次第お知らせいたします。」とあり、結局、今までソニーからは発売されていません。フランスのSony Classicalの広告を入手しました。このCD(SK 54 538)のジャケットと思われる写真が載っています。

Ck-Heldenleben Sony

  1997年にクロアチアのDUMKAというレーベルからこの時の放送録音が音源と思われるCDが出回りました。(オーストリア放送協会:ORFが収録したこの時の録音はNHK-FMでも2回放送されています) なぜ、この録音がお蔵入りになったかはわかりませんが、雑誌等に書かれているのは、クライバー自身が演奏に納得していないからということのようです。金銭面で折り合いがつかなかったからという話も聞きましたが真相はわかりません。

 アメリカ在住のドイツ生まれの女性指揮者のクライバーと「英雄の生涯」にまつわるエピソードです。

 彼女が1992年の秋に、「英雄の生涯」について意見を聞かせてほしいという手紙と、自分の指揮した「英雄の生涯」のテープをクライバーに送りました。当時、ドイツにいた彼女に3日後、クライバーから葉書が届きました。「申し訳ないが、あなたと会うことはできません。私は誰とも会いません。あなたの 英雄の生涯 は素晴らしい!!」と書かれていました。このクライバーからの葉書は彼女の忘れられない思い出の一つとなりました。

 1998年11月、ドイツのテレビ局が、彼女のドキュメンタリー番組を放送しました。テレビ局のスタッフに上の話を雑談として話したそうですが、番組の中で、「彼女の才能はクライバーも認めている」というようなナレーションがあったそうです。この内容は彼女には不本意だったために、テレビ局に抗議の手紙を送るとともに、クライバーに謝罪の手紙(テレビ局に送った抗議の手紙のコピーを同封)を送りました。2日後、クライバーからの返事がFaxに届きました。「もちろん、あなたは間違いをすることもある。でも、くよくよせずに、いつもハッピーでいなさい。そして、もしできるなら(とても難しいですが)、けっして愚痴をいわないこと、決していいわけしないこと。追伸、私には手紙を書かないでください。私は返事は書きません。」

Discographyの「英雄の生涯」へのリンク Strauss , Richard : Ein Heldenleben , op.40